2013 シャガール展の代表作
シャガール展で本物の名画を感じよう
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マルク・シャガールの日本未公開作品を中心に約250点もを集めたシャガール展が、広島県美術館をはじめ様々な場所で開かれています。 あまりにも幻想的な夢の世界を描き続けたこの画家は、実は歌劇場や美術館、大聖堂などの記念碑的作品も数多く手がけており、今回はその下絵やモニュメントを日本で初めて紹介するという前代未聞のコンセプトで開催されているのです。 パリオペラ座やフランスの教会など、巨大な空間を想定して作られた意欲的な芸術品を、日本に居ながらにして目にする機会に恵まれたことを感謝しなくてはいけませんね。 この機会に是非足を運んで、その世界に圧倒されてはいかがでしょう。 |
シャガールの色彩の魅力
シャガールは見る人のほとんどから色彩の美しさへの感想を評される画家ですが、生い立ちは帝政ロシア領に生まれ、後に愛の画家として賞賛されるパリでの永住生活に落ち着くまでは、波乱の人生を送った人物でもあります。 毒舌家でシニカルと言われることもあるようですが、愛の画家と言われるように生涯最初の妻、ベラ・ローゼンフェルトを愛し続けた情熱家でもあります。 第二次世界大戦で戦火を逃れたアメリカへの亡命時代にベラは病死してしまい、同時に祖国も大変な戦火に陥ちてしまいますが、そこで失った大切なものが当時の作風に他に類を見ない独特の表現方法とパワーを与えているとも評されます。 愛や結婚を描いたものが多いですが、有名な「誕生日」と「天蓋の花嫁」は、どちらも宙を舞う恋人が描かれていながらも、作者の想いは異なります。 前者は最愛の人との結婚の年に描かれ、後者は30年以上も後、その最愛の人がすでにこの世を去った後に描かれています。 |
幻想的な世界を創り出したシャガールの名作
どちらも幻想的な忘れがたい印象ですが、そこに足跡を重ねることで見えてくるものもまったく違ってくるかもしれません。 或いは、数多く描かれたサーカスのモチーフ、「私と村」のような幻想的な抽象画のほうが、日本ではシャガールとしてよく知られているかもしれませんね。 特にサーカスのシリーズは、「全く父自身だった」と後に息子のデヴィッド・マックニールがエッセイで語っています。 毎週日曜日に息子を連れてパリのブランシュ広場へ行き、正真正銘の情熱を捧げて描き上げたキャンバスの中には、おそらくこの世のどこにもない舞台が生み出されたのでしょう。 故郷を描いた時代から大聖堂のステンドグラスを描く時代まで、その足跡を少しでも追うために、そうしたシャガールの絵画購入を求めるファンは世界中で尽きないのです。 |
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