ピカソの絵画の魅力
スペインの生んだ20世紀の巨匠パブロ・ピカソは、多くの人々を魅了してきた天才画家です。
天才と呼ばれるピカソは、幼い頃から絵画における特別な才能がありました。画家であった父親は、まだ8歳だったピカソに絵を描かせました。するとその絵があまりに上手だったため、父親は絵を描くことをやめてしまったほどです。
ピカソは作風がめまぐるしく変化した画家としても有名で、それぞれの時期が「○○の時代」と呼ばれています。一般的に良く知られているピカソの絵は、「キュビズム」と呼ばれるものです。
キュビズムの時代では、カラフルな色彩に変形した人や動物を描いています。この時代のピカソの絵画を、「下手だ」と思う人も多いでしょう。それはキュビズムが抽象画ではなく、概念として世界を描いたものであることに由来します。
ピカソの絵画の中で特に有名なものを、少しご紹介しましょう。
まず代表されるのは、「シュミーズ姿の少女」です。この作品は「青の時代」に描かれたもので、考え事をしている少女の表情が印象的です。背景には、暗い青が塗られています。
そして、「アヴィニョンの娘たち」。伝統的な遠近法が使用されず、人物も断片的に分解されて描かれています。この作品は、キュビズムの基礎となる作品です。
続いて「ゲルニカ」は、白・黒・グレーだけで描かれたモノクロの作品です。これは1937年に、ドイツ軍がピカソの故郷スペインを攻撃したことに対する抗議として描かれた作品です。縦3.5m、横7.8mもある巨大な絵画で、恐怖や暗黒、人の残酷さが描かれています。
ピカソの絵画は、その時代の移り変わりを見ていくことで、ピカソがまさに天才であると実感できるでしょう。
ピカソは、こんな言葉を残しています。
「なぜ自然を模倣しなければならないのか。それくらいなら完全な円を描こうとするほうがましなくらいだ。」ピカソの絵画は、全てが考え抜かれて描かれています。その意味を紐解きながら絵画を見ると、その世界観にきっと魅せられることでしょう。