クリムトの人気絵画
インテリアアートとしての人気の高いクリムト
![]() |
クリムトを知っているでしょうか?19世紀末の世紀末芸術の時代に、ウィーンで活躍した画家で、ユーゲントシュティールの代表的な芸術家です。 彼の絵が日本で大変に人気なのは、彼の描く女性がなんともいえず魅力的であることと、さらに甘美な雰囲気にも暗さが、美しい女性の様子にも不気味さがあり、構図や色彩に日本の琳派や浮世絵の影響がみられるからではないか、と言われています。 そんな魅力をもつ彼の絵画は、日常でも多く目にする機会があり、大手家具店でレプリカが多く売られていたり、喫茶店の名前になるなど、多くの人たちをひきつけているのは当然かもしれません。 そして彼の絵画を直接見たい、というファンも多いのです。 |
愛知県美術館でクリムトの絵画を見よう
現存する絵画の多くは彼の出身国であるウィーン、またはアメリカに現存していますが、実は日本でも所蔵していところがいくつかあります。 特に有名なのが愛知県美術館で、日本の公立美術館で最初にクリムトの作品を所蔵したところとして知られているのです。 所蔵絵画である「人生は戦いなり(黄金の騎士)」は、彼の作品を理解するうえで重要なポイントを備えた評価の高い絵画です。 黒い馬に乗った黄金の騎士が描かれていて、当時、ウィーン大学の天井画に前衛的な絵を描いたとして非難にさらされていたクリムトの戦い続ける心境を象徴していると言われています。 さらに金箔を用いた手法、黒く暗い馬と華やかな騎士の対照など、その後の彼の特徴となる作風がはっきりと見られる貴重な絵画です。 この絵が描かれた直後に、彼は当時の革新的な芸術仲間たちとウィーン工房を設立して、「ウィーン分離派」の活動を開始しました。 |
クリムトの芸術と工芸の融合
伝統的で保守的な美術協会とは距離を置き、まさに戦いを開始したわけです。 そしてウィーン工房では、絵画をはじめとしてポスター額縁、アクセサリーも生み出され、絵画と工芸が融合した新しいスタイルを生みだしました。 画家であると同時に、装飾家でもあり、彫刻士の父を持ち、弟たちが彫金師であるという生い立ちをもつ、クリムトならではの発想だったのかもしれません。 工芸と絵画の融合は、当時の世紀末芸術、そしてアールヌーボーと呼ばれる動きに大きく影響を与えています。 このように、後の転機となる絵が日本にも所蔵されていることは、日本におけるクリムト人気を表しているともいえるでしょう。 最近では2013年に巡回展が行われ、宇都宮や兵庫、長崎で開催され多くの人でにぎわいました。 |