百貨店での絵画販売
大型の百貨店に多くに美術部とよばれる組織がある。大手は全国的なチェーンをもつ。
最大規模のところでは、年間に100億円に近い売上高がある。推定額としては、百貨店が美術市場に占める分は
2000億円のうちの相当部分を占めている。
この場合、留意しなければならないのは、百貨店の仕入れで、独自の仕入れは少なく、相当数が大手美術商に
依存している事実である。
大型店への卸を主な職業としている一枚の絵株式会社が1985年度で年商38億円を持つように、大手の美術商は、
常時、億単位の品を百貨店に入れ、それが各地をサーキュレイトとしている.一般商品と同様に、美術品の均質化は
必死である。
美術商の大手の場合、年間でデパートに匹敵し、または、その半分ほどの売上げのあるところが何件かあるが、
百貨店との関係がきわめて密接である。
また、上記のことより気をつけなければならないのは仕入値が同じであり絵画販売の大手業者と密接な関係が
あるとすればその販売価格には百貨店の利益が上乗せされていなければならない。
つまり、百貨店で販売されている絵画を購入することは通常の絵画の販売価格に百貨店の利益を上乗せして支払を
していることと同じ事である。
このような日本の絵画業界の仕組みについてしならいと、どこで絵画を買うのが最も賢いのかわからなくなって
しまう。もちろんそれでも百貨店で購入をしたいという方も多いであろう。絵画の質ではなく”百貨店で購入した”
絵画に価値をみいだす方がいらっしゃるのはまた事実である。
日本の絵画業界
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