愛妻ガラを愛し続けたサルバドールダリ
サルバドール・ダリ生涯妻を拠りどころとした画家
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20世紀を代表する画家は実に数多く存在していますが、その中でも不思議と異彩を放つのがサルバドール・ダリです。 彼はスペインの画家で、シュルレアリスムの代表的な作家として世界的に知られています。 きっと彼は他の有名な画家たちとは一線を画す存在だったのでしょう。 その写真を見れば分かると思いますが、あの独特の口髭が妙に印象深いです。 また、彼はおもしろい名言を多く残し、大変話題になりました。 彼の生い立ちを語るとき、外せない出来事があります。 それは幼くして亡くなった、同じサルバドールという名の兄です。 スペインのカタルーニャ地方フィゲーラスで、とても裕福な家庭の息子として生まれた彼は、亡くなった兄の分まで両親に溺愛されて育てられたのでした。 そして、自分と同じ名前が刻まれた墓石を見つめ、彼はいったい何を思ったのでしょうか。 |
少年ダリが芸術に目覚めた瞬間
このことは少年ダリに心理的に大きな影響を与えたことは間違いありません。 少年時代から絵画に興味を持ち、その才能も早くから認められていました。 彼は幼い時期の多くを生まれた場所である地中海に面したフィゲーラス周辺で過ごしています。 その風景はいつしか彼の潜在意識の背景となりました。 ちょうどこの頃、美術や音楽、そして文学に目覚めたのでした。 デッサンを学び、画家としてのベースが築かれたのはこの時代なのでしょう。 ダリが自らの画法と呼べるものを築いたのは、彼がマドリードのサン・フェルナンド美術アカデミーへ通っていた時期ではないでしょうか。 アカデミーでの授業は真面目に出席せず、美術館へ行ってはいろんな勉強をしていたそうです。 しかし、これがどうやら彼が独自の画法を築くことにつながったようです。 そして、後に妻となるガラ・エリュアールとの出会いが、彼のその後の画家としての人生を大きく変えたと言っても、それはけっして言い過ぎではないでしょう。 |
ガラに対する永久の愛を誓うダリ
彼は生涯、ガラに対する真摯な気持ちは変わりませんでした。 しかし、その愛妻であるガラが亡くなると、彼は心の拠りどころを失ってしまったのです。 そして、その翌年に描かれた「燕の尾」というタイトルの作品が、彼の生涯最後のものとなるのです。 こうして見てみると、その感想として言えることは、彼の画家としての生涯は、妻のガラがいてこその人生だったのではないでしょうか。 彼の作品は絵画購入のショップやダリ展でも見ることができますが、「柔らかい時計」を始め、「変形した肉体」、「ダブルイメージ」など、独特の作風が大いに話題になっています。 これは蛇足ですが、彼は自身で計画したダリ劇場美術館内に埋葬されています。 |