アルフォンス・ミュシャの「四季 冬 ウィンター」は、彼が描く四季シリーズの冬を描いた作品です。この絵画シリーズでは四季に応じた背景だけでなく、中心に描かれた1人の女性の表情やしぐさ、佇まいなどからもその季節を表現しているのが特徴です。全体的に淡い色彩で彩られているため、背景にある冬景色をより繊細に描きだし、ピンとはりつめた冷たい空気を感じさせてくれます。また、中心に描かれた女性の輪郭は太い線で描かれています。これが色彩のアクセントとなり、作品にメリハリが生まれ、繊細な中にもたくましさを感じさせてくれるのです。雪景色や氷を描いて冬を表現するのはよく用いられる方法ですが、このように女性の姿で冷たい冬を表現できるところが、彼の想像力のたくましさです。