カンディンスキー「重い赤色」は、一見、なぜ重いと表現されているのだろうと不思議に思う絵画です。グラデーションが入った赤とグリーンやオレンジ、白のモチーフを合わせ、シャボン玉を思わせる丸い玉がほんわりと浮かんでいて、重いといよりは、ほんわり癒しを与えてくれる作品です。ですが、ちょっと見方を変えると大きく印象が変わるのもこの作品の面白いところです。下から真ん中を見ていると柔らかな印象ですが、上の部分だけに目線を移してみてください。暗闇のブラックカラーが折り合う部分の赤は、なぜかとても重く感じられます。1つの絵の中で様々な発見ができる、ユニークな作品なのです。リビングや寝室などに置けば、部屋の印象をガラリと変えてくれるダイナミックな作品です。