笛を吹く少年は、近代絵画の創始者と呼ばれてきたマネが描いた油絵の作品です。この当時に多くの画家によって描かれていた絵画は、背景や物語を同時に描いた作品が通例でしたが、マネはこの常識を覆し、少年のみを描き、背景などを一切なくした印象的な作品として完成されました。背景をなくすことによって、軍服をまとった、あどけない表情の笛を吹く少年の存在感がより一層増しています。黒い服に真っ赤なズボンが鮮やかに描かれ、シンプルな絵画の中に大きな迫力を感じさせます。更には、ズボンの脇にある黒いラインが強い縁取りとなっていることで、作品をより強く印象付けています。これは、日本の浮世絵版画の影響によって描れたと言われており、日本人の心に残る作品です。