V.ヴェッファ「青い背景の道化師(ピエロ)」は、どこか悲哀を感じるピエロの表情が目を引く作品です。ピエロといえば笑いの象徴、楽しいイメージを彷彿させますが、このピエロはどことなく哀れな悲壮感が漂います。仕事がうまく行っていないのか、子供たちに笑いものにされたのか、芸を失敗してしまったのか、笑いの場を他の芸人や動物に持っていかれたのかと想像がかき立てられるのではないでしょうか。薄黒い青の背景もいっそうピエロの悲哀を印象付けています。暗さの中に真っ赤な丸い鼻や緑とオレンジの鮮やかなハットが、よりいっそう彼を悲哀に満ちたものにしています。アート作品は自分に関連付けたり、対照的な存在として元気を出すにもいいものです。