サルバドールダリの「ピカドール」は、馬にまたがった闘牛士の勇ましい様子を美しいカラーで表現したアート作品です。ピカドールは闘牛士のことで、闘牛場で大勢の観客を前に馬に乗り、荒れ狂う牛を刺すパフォーマンスを繰り広げる人のことです。ダリの故郷であるスペインで、人々が熱狂する闘牛の一コマを牛ではなく、ピカドールに光を当てて描いたものです。一歩間違えば牛に倒されてしまうピカドールの凛々しくも堂々たる様子が、黒にピンクのアクセントを入れて美しく描かれています。槍の先には血が滴っており、決闘を終え意気揚々と馬を闊歩させているところかもしれません。白い馬には神々しいゴールドが配され、その様子を物語っているようです。デザイン性に優れ、絶妙な色合いの華のある作品です。