この作品は、どこかで見たという記憶がある方も多いはずです。世界的に有名で現代でも多くの支持を集めているピカソの作品の中でも、もっとも彼の画風を象徴する作品の1つです。この絵に登場する人物は、実は芸術家ピカソが愛を注いだ女性マリーテレーズであり、その肖像画をピカソ独特のタッチで描いた作品です。やや小首を傾げたしぐさは、ピカソの好きな動作であり、人間の情感がそこに表現すると彼は考えていました。つまり、この作品に描かれたマリーテレーズとピカソとの、ただならぬ関係や互いの愛情の深さを物語った作品と捉えることができます。また、多彩なカラーが美しく配されたピカソ独特のタッチやレイヤー構成が、非常によく表現された作品であり、ピカソらしさをより楽しめる作品に仕上がっています。