シャガールの「サーカスクラウンアンドダンサー」は、全体が淡い青色で描かれているのですが、ところどころ緑が配色されています。背景の人物の服がだいだい色と赤色なので、それが浮きだって見えます。そのような色彩のコントラストの中で、正面に描かれている笛を吹くクラウンが、きわだって幻想的で夢の中の人物のように見えます。なんとこの人物は後ろにも顔を持っているからです。前の顔と後ろの顔の表情が違っています。シャガールはこの道化の2面性を表現しようとしたのでしょうか。ダンサーたちが後ろで踊っていて、ほのぼのとした雰囲気を醸し出しています。幻想的で才気あふれるこのような絵を飾れば、本物の芸術を身近に感じることができるのではないでしょうか。