シャガールの「サーカスファンダンサー」は、大きく描かれた踊り子の引き締まった表情と、彼女を包み込む緑色の光があいまって、舞台の緊張感が良く伝わって来る絵に仕上がっています。絵の左上の赤い服を着た人は踊り子を際立たせる脇役です。右側の美しい花束を持った男性は、踊り子が如何に魅力ある人物なのかを良く伝えています。また男性は左側の鳥と向かい合って描かれており、その構図が舞台の張りつめた空気をより強くしていると言えるでしょう。絵の背景には楽器を演奏する人たちが居て、サーカスで奏でられる音楽が聴こえてくるようです。踊り子は、くびれた腰つきで赤色や黄色で強調して描かれています。さらに紫の扇を胸に当て、構えている様子は、彼女が存在感のある優れたダンサーであることを表しているのでしょう。文化教室の施設、またダンス教室に飾るのに相応しい絵画です。踊り子の真剣な眼差しから、舞台を成功させる力を得られそうな作品となっています。