西洋絵画 絵画販売ランキング ゴッホ
ゴッホの作品に見える繊細な心
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西洋絵画の中でもゴッホはとりわけ日本人に人気のある画家の一人です。 国内外問わず彼の絵が展示されている美術館はいずれも人気が高く、また日本国内でもゴッホ展が開かれ、その際には連日多くの人が訪れ、有名なひまわりやアルルの跳ね橋など馴染みのある絵の前には人だかりができています。 彼の作風というのは、ひまわりに代表されるような鮮やかな色彩が印象的ですが、そのほかにも農民の暮らしを描いた作品には力強さが、また肖像画や自画像などにも彼独自の感性というものを見て取ることができます。 ゴッホは自分の中で想像した何かを付け加えることなく、自分が目にしたものをその時の感性のままに描く画家でした。 |
ゴッホの名画 夜のカフェテラス
そのため、その時の彼自身の感情や置かれていた環境を私たちは絵を見ることによってしばし感じることができるのです。 後期に描かれた絵には、それまでの昼間の風景とは逆に夜の風景が増えていくのですが、夜のカフェテラスでは濃紺の星空の下で人々が賑やかに過ごすカフェの風景が描かれています。静寂の星空と地上の喧騒の中で、店の片隅に置いたキャンバスの前に毎晩立って思うままに自分の感性で描き続けるのです。 その後、彼が抱えていた自分自身の問題というのが最も絵の中にあらわれてきたことを感じさせるのが星月夜や糸杉などの作品です。 これらの絵には、それまでの作風とは違うある特徴的なタッチが生まれています。 まるで空がぐるぐると渦を巻いているような世界が広がり、糸杉はその空に向かって高く燃え上がる炎のように立ち上がっています。 ゴッホの絵に興味を持ち、その生い立ちや生涯について知ったとき、人々はこの彼が描いた絵のなかに見る独自の描写や変化は、彼自身の心の葛藤やその内面から湧き出した感情そのものであるということを知るのです。 |
ゴッホの繊細な絵画と繊細な心
ゴッホ自身は生涯絵を描き続け暮らしていこうと望んでいましたが、実際には絵は売れず、弟の助けを借りて生活をしていました。 晩年には弟の世話になっている自分に負い目を感じ、また友人との関係にも問題を抱え、行くあてをなくした彼は知り合いの医者の世話になり、そのフランスのいなか町で生涯をとじることになります。 生前にはほとんど売れることのなかった絵ですが、その後弟の妻の手により世に送り出され、今では多くの美術館に展示され人々を魅了する人気画家となったのです。 彼が唯一自分の感情を表現することができた力強いその絵の中には彼の繊細な心が見えるのです。 |