絵画に心の癒しを求める方は沢山いらっしゃいますが、ミュシャのカーネーションも、それに大きく該当している作品といえます。おごそかさの中に色彩の豊かさを最大限に表現している作品です。背景は渦を巻いたかのように流れを出すことで、髪をなびかせた女性の官能的な雰囲気を高く描き出しています。手に持つカーネーションは装飾性を強調するかのように、明るさが一層際立ちます。指先や腰、八の字に流れる肩からは、女性が持つ肉体の美を明確に感じることができ、人物を描いた完成度の高い作品だといえます。背景の風景との調和をうまく表現し、今にも花の香りがしてきそうなのは、この作品の底力といえるでしょう。ご自宅の玄関に飾れば雰囲気を明るくさせてくれ、きっとあなたの玄関を美しく彩ってくれます。