ルノワールの「ピアノを弾く少女たち」は、ピアノの前にある楽譜を一心に見つめる2人の少女を生き生きと描いた傑作です。前にいる豊かなブロンドの髪の少女が白いドレスを身にまとい、楽譜を見ながらピアノを弾いており、その後ろから赤いドレスを着た褐色の髪の少女が、楽譜を覗いているシーンです。背景に青色にやや黄色や赤色が混ざったカーテンが斜めになってかかっているのですが、この色彩のコンストラストが見事で、少女たちの明るくて優しそうな表情をいっそう際出たせています。右上に描かれている花瓶と色鮮やかな花々も、この絵の雰囲気をさらに明るいものにしています。このような設定のなかで、一心不乱に同じ楽譜を見つめる2人の少女は不思議なくらい美しく見えます。この芸術性の高い絵を飾れば、その家もきっと華やいだ雰囲気になるでしょう。