これは、ジャン・フランソワ・ミレーの代表作の1つである「春」という作品です。現物は世界でも名だたる美術館であるパリのオルセー美術館に飾られております。うららかな春、突然の通り雨が上がった直後を描いた作品で、雨雲が切れてうっすらと青空がのぞき、美しい虹が描かれた幻想的な光景が広がります。手前には冬から春へと変わろうとしている季節の光景が描かれ、特別に手入れがされていない野道の草木にほっこりとさせられます。ミレーは農民の生活を描くことで有名ですが、農民にとって雨は恵みであり、農産物を育てるのに欠かせません。この恵みの雨が降り、さらに人々の心を弾ませる虹が描かれることで、素敵な未来を予感させる、そんな作品に仕上がっています。