ルノワールは日本人に最も愛されている印象派の画家ですが、「サルバドールダリア」はそのルノワールの夢のような筆のタッチをそのまま楽しめる美しい絵画です。描かれているのは花瓶いっぱいに活けられたダリアです。赤やオレンジ、白や紫などさまざまなカラーを使っているにもかかわらず、カラーがナチュラルに調和しているところはルノワールの手腕によるものです。色調が抑えられているので派手さがなくどこまでも上品に花々を描ききっています。小さく見える水仙や、床に落ちたバラも可憐ですが、花活けてある深い藍色のツボもなんとなく日本のもののような親しみを与えてくれます。見るものを落ち着かせ、飾るところを選ばない優美な絵ですから、病院の待合室などにも最適です。