サルバドールダリの「Disembodied Telephone」は、広野の真ん中の一本の木に電話の受話器がかかっているという、ダリらしいユニークな発想のアート作品です。よく見ると電話線が大地に連なる電柱の電線と繋げられています。単に受話器が木にかけられているのではなく、線が繋がって機能しているという発想がまた面白いのです。比較的シンプルな背景に木と受話器がさりげなく配置された構図ですが、見るほどに面白味を増してきます。薄茶の地面の色とやや曇ったような空の色、そこにアクセントカラーとして緑や赤をあしらった落ち着きの中にもメリハリがある作品です。派手すぎず、何より発想が面白いので、飾って楽しめる絵画といえるでしょう。