パブロピカソの「Artist with Sculpture」は、まるでパズルのパーツをキャンバスに広げたようですが、彫刻家が彫像を制作している様子を描いた作品です。彫刻家の顔は横顔と正面を向いた顔が合わさって、1つの顔を形成しています。二面性のある表情は見る人によって、明るくみえたり情緒を感じさせるものであります。これがピカソらしい特徴と言えるでしょう。ピカソ晩年の独特の技法が如実に表れた作品で、足や手、顔もいびつで色もカラフルでありながら、それが人間の体の一部であると存在感を示しています。ピカソは赤や黄色、青など奇抜な色の組み合わせを好みましたが、この作品はやや落ち着いた原色遣いが美しく、色の組み合わせが絶妙なパズルのようなアート作品に仕上がっています。