パブロピカソの「夢」は、心地よくまどろむ女性を描いた作品です。目や眉毛は一筆で描いたことで、女性の無垢な表情を的確にとられています。するりと流れる金色の髪は、光輝く様を白色で丁寧に描かれており、美しさを引き立てています。ピカソが描く奇抜で激しいタッチの作品とは異なり、ふっくらと肉感のいい色白の女性が描かれていますが、背景はやはり彼らしいと言えるでしょう。背景に使われている緑と赤の対極する色が、真っ白な女性の身体をくっきりと印象づけてくれます。顔のパーツなどはそこまで変形されておらず、ピカソのパズルのような配置の画風とは違いとても柔らかく優しいタッチで描かれており、絵に詳しくない方でも絵画購入しやすい作品となっています。この作品を眺める人に、どんな素敵な夢を見ているのだろうと想像を掻き立たせてくれるでしょう。