ピカソは独特の画風を持っている作家で、この三人の音楽家もいかにもピカソらしい仕上がりになっています。人か人でないのか、人ならば顔はどれかということが良く分からないのがこの作品ですね。ただ三人の人らしきものが上手く溶け合っているのは、見落としてはいけないところにあたります。仲良しの三人の音楽家を描いたこの作品は、ピカソの私生活を映したものです。彼らがいかに仲が良かったかということが色使いと構成からカンバスを見る者に伝わってきます。ハーレクィン、ピエロ、僧侶の扮装をした三人はピカソ、ギヨーム・アポリネール(詩人)、マックス・ジャコブ(詩人、画家)で実際に彼らはお互いに引き合う物が強かったようです。ピカソが三人の友情を記録したかった思いが、色使いや配置に良く表れています。友情を形のあるものとして残しておきたかった思いがジンジン伝わりますね。愛を扱う作品が多い中、友情を現した作品はそれほど多くはなく絵画購入を検討するならばこの作品でしょう。