天才画家パブロ・ピカソの作品は、青の時代の頃では哲学的なテーマを見る者に投げかける作品が多いですが、この「海辺を駆ける2人の女」は違います。思春期、青年期を経た40歳の時の作品です。女の手足の屈強さから、凄まじい生命力、突破力を感じさせる仕上がりになっています。地響きを立てて駆けてくる様子は、見る者を圧倒してしまうほどの迫力です。海岸の砂の中に力強く足を踏み込んで駆け抜ける女たちの活き活きとした感情が伝わります。空には綺麗なブルーが丁寧に塗られており、流れるように描かれた雲は躍動感があります。元々劇場の下絵アートとして書かれたものですから、人に訴求することも作品の狙いの一つではありました。そのため、この絵画購入の際には人目につき安いところに飾ると生える作品だと言えます。