シャガールの「サーカス IV」は、サーカス団のパフォーマンスや観客の熱気あふれる様子が伝わってくる絵です。観客席は赤色とオレンジ色を使って描かれており、彼らがサーカスの芸を見るのに熱中している様が描かれています。こちらにも、観客の熱気が伝わってくるようです。また、配色が素晴らしく、投げ縄の色を一色で表現せずに青、赤、ピンク、黄色、緑と色とりどりの色を取り入れることで臨場感が生まれています。リアルに表現されているだけではなく、登場する人物や動物の表情は穏やかに描かれているため、可愛いらしい印象も与えてくれます。舞台を鮮やかな黄色で描き出すことで、この絵画の底辺を明るく支え、加えてサーカスのパフォーマンスの様子を強調させています。見る人の想像力をかきたてる、そんなサーカスの一幕を描いた作品です。