シャガールの「黄色い花束と鶏」は、三原色を上手く使った作品です。背景や中央女性を描いた青色、花束の黄色、鶏のトサカや花束を描いた赤色、この三色が実に効果的に使われているのです。作品の外枠を構成する青色の中に黄色い花束があり、赤色のトサカや花は作品を引き締める役割を担っていると言えるでしょう。幻想的な絵ですが、それと同時に中央の女性の安らかな横顔や、鶏のアーモンド形の目の穏やかさから、安らかで平和な世界が描かれている絵だと感じ取れるのではないでしょうか。また黄色い花束の下にある花瓶の花束や、花瓶の左側に佇む小動物は、愛らしい印象をうけます。安らぎの中に愛らしさを散りばめた、素晴らしい絵画と言えます。