マルクシャガールの「天使の湾」は柔らかな青色で彩られており、安らぎの夜のひとときにある海辺の町並みが背景に描かれています。人々が安らいだ眠りの時にあるひとときを切り取ったかのようです。大きな満月が煌々と照らす凪いだ湾と静けさに包まれた町を見守る天使を、赤い髪と人魚姿で印象的な人物像にしています。それだけこの海辺の町の人々にとって大切な存在なのかもしれません。微笑みを浮かべる天使の手には大きな花束がありますが、これは安らぎの夜を過ごせる人々の感謝の思いが花束に変化したものなのでしょう。眺めていると、心地の良い眠りに導かれそうな絵画です。寝室の壁等にかけておくと、気持ちが静まって穏やかな気分になれるのではないでしょうか。