ゴッホの絵画に見るユートピアの先
ゴッホの心の葛藤とその作風
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代表作である「ひまわり」や「アルルの跳ね橋」などの鮮やかな色彩が印象的で、日本でも高い人気を誇る画家のひとりであるゴッホ。 彼の作品は今、生まれ育ったオランダ以外でも日本国内の美術館や開催させるゴッホ展など多くの場所で私たちは目にすることができるのですが、実は生前にその絵が売れることはほとんどありませんでした。 ゴッホは牧師の子として生まれ、画商の職を経て、やがて宗教家をめざし神学部の受験やベルギーの炭鉱での伝道活動などに情熱をかたむけるのですが、彼の考えと現実の世の中とのギャップに苦しみながら、やがてその自分の思いのたけをキャンバスに表現する画家の道へと進むようになります。 初期の頃は当時の労働者や農民の暮らしなどを熱心に描くことが多く、私たちがよく知る明るく情熱的な作風とはまるで違う、当時の現実世界や真面目に働く農民たちのそのままの姿を力強くやや重いタッチで表現しています。 |
芸術とゴッホ自身の使命感
| そうした庶民の人々の日常、ただ黙々と日々の生活を真面目に取り組む人たちの世界を描き伝えることに、芸術と自分自身への使命を感じ没頭していきます。 やがて時代は変わりはじめ、絵画の世界も暗闇から光、印象派の時代へと進んでいきます。 その頃ゴッホはフランスに住んでいた弟テオを頼ってすでにパリで暮らしながら絵を描き続けていました。 パリでは多くの画家仲間との交流があり、彼の絵に対する情熱はさらに熱くなり、燃え上がるような心の中が徐々にその世界に現れていくのです。 芸術への関心はさらに広がり続け、西洋美術以外にも日本の浮世絵などのそれまでにない奥深い美の技術を知り、それは彼自身に大きな影響を与えます。 実際に浮世絵に関しては大変関心が強く、模写やその技法を使った作品をいくつか残しています。 |
ゴッホが夢見たユートピア
| ゴッホは自分の夢見る世界、ユートピアを目指して南仏アルルの街へ向かい画家仲間のゴーギャンとともに生活をはじめますが、個性の強い芸術家同士であるふたりはたびたび衝突を起こし、亀裂が生まれてしまいます。 既にこの頃から彼の精神は徐々に不安定になっており、心に深い闇を抱えた末にフランスのサン=レミにある療養院に入ることとなります。 その後彼が最後にたどりついたフランス郊外の町オーヴェル=シュル=オワーズでは一面に広がる自然の風景を描き、そこからまた新たなタッチが生まれていきます。 しかし心の中にある苦しみがまるで渦巻いたかのような空は一種独特でもあります。 農民の暮らしから「ひまわり」に見る光の世界へ、そして「星月夜」のような静かな暗闇と微かな光の世界。 現実から夢へ、そして孤独と闇へ、表現の変化は彼の心の変化と葛藤そのものなのかもしれません。 |



























